(ガク)
最後の運動会
台風の過ぎ去った先週の週末、ガクの幼稚園の運動会があった。
僕たちは兄のケイタのときから7年間毎年この運動会に参加している。今年、年長のガクにとっても僕たちにとっても幼稚園最後の運動会である。台風一過の晴天にに恵まれてた楽しい一日だった。
毎年、年長の男子は上半身裸になって綱引きを行うのがこの幼稚園の恒例だ。
ケイタの時も僕はこれを一番楽しみにしていたのだけど、今年はガクの晴れ姿である。
綱引きの前にウルフルズの『ガッツだぜ!』の曲に合わせて空手みたいな演舞を見せてくれるのだが、前の週の予行練習ではあいにくの小雨模様の寒さに園児たちは震えていた。
寒さにめっぽう弱いガクは腰だめににする空手の型が拳が顔の前に来てそのまま震えるポーズになっていたので笑ってしまった。
正拳突きの型は幼稚園児には難しいようだ。
でも、運動会本番の当日は暑いぐらいの陽気で園児たちも張り切って踊っていた。
ケイタのときは上半身裸になった姿を見て、たくましくなったなぁと思ったものだが、ガクのタスキ姿はまだまだ筋肉らしきものは見当たらず、ひょろひょろとして頼りない感じだ。それでも、拳を握り締めて一生懸命に声を出して踊ったり綱引きをしている姿に思わず感動してしまった。
クラス対抗の全員参加のリレーでは、ガクのクラスがぶっちぎりの半周遅れのドベだったこともあって、バトンを手渡されたガクは余裕の表情でうれしそうに走っていた。
何人ものリレーで半周も遅れていると勝っているのか負けているのか園児たちにはゴールするまでわからないのだろう。観客席の母親をチラ見してニッコリした様子が僕の撮ったビデオに写っている。
開会式でガクはクラス代表の旗手を務めていた。