(ガク)
しょんぼり?
先日ガクの通っている幼稚園の『親子苗植え会』があった。近所の畑でサツマイモを植えるらしい。
このところガクは頑張って毎日元気に幼稚園に通ってはいるものの、何か自分では上手くできないことや思うとおりにならないことがあると、教室でビィービィー泣いて先生に張り付いていることが多いという話を聞いていたので、どうなることかと思う。
慣れない幼稚園生活でガクもガクなりには頑張っている。でも、その張りつめた思いは母親の顔を見るといとも簡単に崩れ去るに違いない。
後で聞いたカミサンからの報告だと、園児一同が園庭に並ぶところから、ガクは泣いて母親に張り付いていたらしい。
新しいイベントや出来事に対して、ガクは不安に思うことが多いらしく、この時も前の日から『苗植え会』が終わったら母親だけ先に帰ってしまう(自分は幼稚園バスで帰る)事を心配していたという。
母親にべったり張り付いて泣いている子などはひとりもいない。
他の園児はお友達とふざけっこをしたりうれしそうに「イベント」を楽しんでいる様子なのに、ガクだけがこんな調子なのだ。それでも畑に行って苗植えをするころになると機嫌もよくなってきて楽しそうに土いじりをしていたらしいが、それが終わって母親が帰る時にはまた泣いて母親を困らせた。
という報告をその晩カミサンから聞いたので、お風呂に入ったときに僕は何も知らないかのようにガクに尋ねてみた。
「ガクちゃん、苗植え会どうだった?。楽しかった?…ガクちゃん、泣いたんだって?」
「ううん、ガクは泣かなかったよ。ちょっと、しょんぼりしただけ…」
しょんぼり…?ずいぶんと自己肯定的な捉え方である。
そうかぁーしんぼりしただけなのかぁ…って、ウソをつくなッ!