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自転車でコロとの散歩 
(ケイタ)
自転車でコロとの散歩 
        


休日の夕方には必ずケイタと犬の散歩に行くようになった。ケイタは昨年の誕生日に買ってもらった自転車にのって、僕は歩きで犬のコロを引っ張って散歩に出かけている。

犬をいつも遊ばせている公園までは車道と歩道が茂みで隔てられた歩道を行く。
自転車のケイタは僕とコロの先にどんどん行ってしまうので、危なくてしょうがないのだ。
だからケイタには、横からくる道路を横断するときには必ず僕を待っているように約束している。
道路を横断するときには、僕がケイタの自転車を持って一緒に渡るようにしているのだ。

そのときも曲がってくる車に巻き込まれないように道路の1m前のあたりで止まっているようにいっているのだが、今のところこの約束は守っているものの何だか危っなかしくて、公園までの道のりは毎回ハラハラさせられどうしだ。


よそ見をしながら茂みに突っ込んだり、補助輪を何かにぶつけてひっくり返ったり、歩道だからといっても、たまに他の歩行者や自転車が通りかかるので、危なくて犬のリードをもう一本用意してケイタの自転車につないで歩きたいくらいだ。


そんなこんなで公園に着くとほっとする。とりあえず公園の中ならそれほど危なくないから、ケイタを自由に遊ばせることができる。





公園を何週か自転車で回った後、

「山の上でジュースを飲もう」とケイタが言う。

公園の小山の斜面に座って、途中の自動販売機で買ってきた野菜ジュースとお茶を二人で飲む。何故だかケイタは公園の小山の上に上ってあたりの景色を楽しみながらジュースを飲むことを好むのだ。

かたわらにコロを座らせておやつのドッグフードを少しずつ与えながら、ケイタと斜面に腰を下ろしていると、何だか僕まで楽しい気持ちになってくる。

「キャンプみたいだねー」
「キャンプというよりハイキングだろ」」

そんなことを言いながら、ケイタは野菜ジュース、僕は緑茶か無糖のコーヒーを飲んでいると、西の方の空が見る見る赤く夕焼けに染まっていく……


なーんて書くと、いかにも穏やかな散歩の風景だが、実際は、公園に入ると犬のコロは他の犬にちょっかいを出したくてしょうがないみたいだし、あたりの茂みに残る他の犬の臭いを片っ端から嗅いでまわり、何だかたくさんの情報を集めることに夢中で僕の言うことなど聞きもしない。

ケイタの方もおとなしいのはジュースを飲んでいる時だけで、小山の茂みに潜む見えない敵を相手に戦っては、
「やっ、やられたぁー」といいながら芝生の上をころころと転がり落ちてくる遊びに夢中になっている。
「くくぉー、まだ、まだぁあああー、今度はまけないぞぉおー」
と例のごとく一人芝居の世界に入って遊んでいるのだ。

僕のほうは夕焼けを観賞する余裕もなく……、

「コラッ、コロ、引っ張るんじゃない!」
「ケイタぁー、転がるのは芝生の上だけー、土のうえじゃ、転がらないよォー」
「裸足で走らない!、ほら、ぬげた靴をはいてェー」
「よその犬のウンチを棒でつつくんじゃないッ!」
「コロ、引っ張るなってんだろうがぁー、もう、オシッコは玉切れだから、引っ張るなってー」

そうやって夕方の4時前から1時間ぐらい遊んでいると、帰るころにはあたりは真っ暗になってしまっている。

不思議なことに公園の中ではリードを引っ張って大変だったコロも、一歩公園を出るとおとなしく僕の横を歩調をあわせてついてくる。
これだけを見るとしっかりと「ツケ」のしつけができた賢い犬のようだ。どうやらコロは『この公園の中では傍若無人にふるまってもいい』というコロなりのルールを自分で作っているようなのだ。

暗くなってしまった歩道帰るとき、ケイタに自転車のライトをつけさせる。
このために100円ショップで自転車用の電池でつくライトを買ってきて幼児用の自転車に取り付けた。。
乗っているケイタのためではなく、他の自転車や車の運転手にいち早くケイタの自転車を発見してもらうためにこのライトはつけているのだ。
前だけでなく、自転車の後ろにも点滅する赤色灯をつけて、すっかりと暗くなった道を帰ってくる。

さんざん公園で走り回ったり山を登ったり下りたりしているので、さすがにケイタも疲れたらしく、自転車の速度が遅い。
また疲れてくると余計によく転ぶようだ。
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by tonjies | 2004-01-09 23:18 | 豚児1号 ケイタ
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