おふろのなかで
先日、豚児たちとお風呂に入っていた時のことだ。先に体を洗ったガクと一緒に浴槽に浸かっていると、ガクの後ろからボコボコと大量の泡が出現した。
そのあまりの量に我が目を疑う。
実際に洗面器を逆さに沈めたくらいのアブクの量なのだ。
「ガクちゃん?…今のは…おなら?」
「おなら…しちゃったぁ…」テレながらもうれしそうだ。何だかすごいことをした気分でいるのだろう。
「ケイタ、今の見たかー、ボコボコボコッっと、すごい量だったぞー」
大うけでケイタと笑いあっていると、なにを勘違いしたのか、この小学3年生の兄は、
「よーし、オレだって、負けないぞー」と風呂の中で踏ん張リはじめた。弟と張り合ってウケ狙いで『笑い』をとろうとしているらしい。
「あっ、バカ、ケイタ、やめろッ、実が出ちゃうかもしれないじゃないかッ」
おならを出そうと気張っているケイタを僕はあわてて止めた。
それでも、踏ん張っていたので少しは実がもれたかもしれないが、ガクと先に風呂を出たのでその後のことはわからない。
ケイタがあがった後に風呂に入ったカミサンには、もちろんこの話はしていない。