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『十五少年漂流記』を読む

十五少年漂流記 痛快世界の冒険文学 (1)

志水 辰夫 / 講談社



『十五少年漂流記』を読む



時々、本屋で、「ああ、この本はケイタが読むかもしれないな」と思って子供向けの本を購入することがよくある。

この『十五少年漂流記』もそのうちのひとつだ。

本読みの僕としては、何とか子ども達を本好きにしてこの楽しみを共有したいというか教えてあげたいと常々考えているのだが、なかなかうまくいかない。
僕の本棚からケイタでも読めそうな本をさりげなく彼の目に付くところに置いてみたり、あらすじを紹介してみても、長い小説は小学3年生にはとっつきにくいらしく、今のところ僕があげた本の中でケイタが読んだのは、教科書に出ていた谷川俊太郎や金子みすゞの詩集ぐらいだ。

でも、ケイタに本を読むことをあまり無理強いをしようとは思わない。無理強いをしてもマンガばかり読んでいるこの小学生が通じないし、にわかに本好きになるとはとうてい思えないからだ。

考えてみると、僕もケイタぐらいの頃は、長い話の本などあまり読んではいなかった。父親がやはり本が好きで、家の中には世界文学全集の類やトルストイをはじめロシヤ文学の全集がたくさんあったけれど、子どもだった僕にはとっつきにくい感じがして、あまり近寄らなかったことを覚えている。さらに三島由紀夫や川端康成など、自殺した小説家の本はなんだか恐くて、その背表紙が目にはいらないようにさえしていた。

そう、読んでない本というのは威圧感を与える存在でしかない。それは今でも書店や図書館で感じることだけれど、逆に読んでしまった本はその背表紙を撫ぜてみたくなるような親近感を覚える。
三島由紀夫も川端康成もトルストイも文庫本になっているような作品群をあらかた読みつくすとなんということはない。ただ知らかったから恐かっただけである。


本をほとんど読まなかった小学生の頃、僕が唯一何回も読み返した本が『十五少年漂流記』だ。
叔父からもらったこの本をそれこそ何回も何回も読み返した。子供だけで無人島に漂着する話だけに『秘密基地』に憧れた小学生の心の琴線に触れたのだろう。チェアマン島の地図を自分でも書き写して、ブリアン、サービス、ゴードン、ドニファンらの仲間に加わることを夢みていた。

大人になって完訳版の方も読んでみたけれど、やはり面白い。特に『蝿の王(ウィリアム・ゴールディング)のような悲惨な話にならないところがいい。


何年かぶりで(子供向け訳の方を)もう一度読んでみよう、寝る前に子供たちに読んで聞かせてあげようと思いついた。

我が家の子どもたちの就寝時間の9時だ。その時間に僕がいる夜は必ず、布団の中で少しづつこの『十五少年』を読んで聞かせるようになった。
ガクは聞いているうちにすぐに寝入ってしまうのだが、ケイタの方は「もっと、もっと」とせがむので、半分以上読み進みそろそろ悪者たちが登場してきた佳境にさしかかってきた。

気がつくと寝ているときもあるので、たまにストーリーを理解しているのかたずねてみると、ちゃんと理解しているらしく、島の大統領選挙でドニファンに票を入れたのは誰々と諳んじて見せたりもする。ケイタのお気に入りは主人公のブリアンで、自分を勇敢な主人公になぞらえているらしい。ガクはその弟のジャックで、犬のコロがファンなのだそうだ。
「じゃあ、おとうさんは、ゴードンな」
「おかあさんは、おかあさんは、…ケイトでいいか」
ちなみにこのケイトというのは少年たちに助けられる40過ぎのおばさんである。40過ぎのおばさんではカミサンがちょっと可哀相な気もしないではないが、まあいいか、ということで僕は黙って聞いていた。


ケイタの方はそんな感じで、読み聞かせがいがあるのだが、すぐに寝てしまう幼稚園児のガクには、このお話は少し難しいようだ。

先日もお風呂の中でおもちゃの船で遊んでいたガクが、

「おとうさんの読んでる本(十五少年漂流記)だよ」といって、2隻の船を衝突させて沈没させていた。

少年たちを乗せたスラウギ号がニュージーランド沖で沈没。

それではいきなり十五少年のお話が終わってしまうではないか。




   

by tonjies | 2009-02-21 01:43 | 子どもの本を読む
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