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グズグズだらだらな日々
(ケイタ)
グズグズだらだらな日々
少年達よ、未来は


毎朝、ケイタが着替えもせずにぐずぐずとしていると、母親の叱声が飛ぶ。

「ぐずぐずしないでッ!」
「早くしなさいッ!」

実際ケイタは寝起きが悪い上、朝の支度もせずに、のんびりとマンガを読んでいることが多い。毎朝のことなので時間がないのは解かってはいるのだろうが、キビキビとした動作が少しも見えず、ミツユビナマケモノがのそのそと歩いているような仕草を見ていると、こっちの方がイライラしてしまうのだ。

「早くしなさいッ!」

毎朝、全国でどれくらいの小学生が母親からそう言われているのだろう。

学校の用意や朝の支度だけでなく、普段の生活でももう少し、キビキビ、シャキシャキと出来ないものかと思う。学校の宿題も、土日など時間はたくさんあるのだが、伸ばし伸ばしにして日曜の夜にまとめてやらなければならなくなり四苦八苦していたりする。

小学生の生活態度はこんなものか、とは思うが、グズグズだらだらな日々はあまり感心しないし、ガミガミと言いたくなる母親の気持ちももっともである。


気分がどうのこうの言って、なんになりますか。ぐずぐずしている人間に気分なんかわきゃしません。今日できないなら、明日もだめです。一日だって無駄に過ごしてはいけません。
(「ファウスト」より)


と、かのギョーテも言っている。


でも、僕もかつてぼーとした小学生だったからケイタの気持ちも何となくわかる。ダラダラした生活態度は子どもの特性である。さらに小学生男子の耳の構造は特殊に出来ていて、母親のガミガミ声が聞こえてくると、その声は不思議なことに右の耳から左の耳へ通り抜けてしまうのだ。

そんな小学生に『規則正しい生活をしましょう』というような教条的なことを言ってもあまり意味はなく心にも響かない。はじめから自分のことがきちんとできて自律していたら、誰も小学生なんかやっていないと思う。
数々のガミガミ声が頭の上を通り過ぎる日々を経ないと、そんな自律心は身につかないのだろう。ただそんな毎日と付き合う母親は大変である。


前述のゲーテの言葉だって、主人公のファウストが天使に言われている言葉だ(…と思う。うろ覚えだけど…)

天使にこう言われているということは、ファウストはいつもはグズグズダラダラしていた日々をおくっていたのだろう。だからこそ天使がこう叱責しているのだ。まるで、「早くしなさい」と叱られている小学生と同じである。

また、グズグズしていることが一概に悪いばかりとも言えないと思う。小学生のだらしならとは異なるかもしれないが、長い人生の中ではグズグズダラダラしないと解からないとだってあるはずだ。

シェークスピアだって、

賢明に、そしてゆっくりと。速く走るやつは転ぶ。
(「ロミオとジュリエット」より)


と言っているではないか。

『明日できることは今日はしない』 という言葉もあるし、スワヒリ語の『ポレポレ』(ゆっくり)という語感も僕は好きだ。

毎日をあくせく時間に追われるように過ごすのは、大人になってからで十分のような気もする。
ボーっとした一見無駄に見えることが、実は20年後30年後には無駄ではないかもしれないではないか。



山口瞳さんが「少年達よ、未来は」のなかでこんなことを書いている。


「私が会社に勤めて月給を貰うようになったころ、そのとき私はまだ二十歳だったのですが、 私の先生にあたる人と一緒に、ある会場に行くということがありました。 

駅で切符を買い、改札口を通ったときに、電車がプラットフォームにはいってくるのが
わかりました。駆け出せば、その電車に乗れるのです。すこし早く歩いたとしても乗れたと思います。周囲のひとたちは、みんな、あわてて駆けてゆきました。

しかし、先生は、ゆっくりと、いつもの歩調で歩いていました。私たちが階段を登りきってフォームに着いたとき、電車はドアがしまって、発車するところでした。駅には、乗客は、先生と私と二人だけが残されたことになります。先生は、私の気配や心持を察したようで、こんな意味のことをいいました。

「山口くん。人生というものは短いものだ。あっというまに年月が過ぎ去ってしまう。しかし、同時に、どうしてもあの電車に乗らなければならないほどに短くはないよ。・・・・それに第一、みっともないじゃないか」

私は、この言葉に感銘をうけました。

何かの事件が起こる。乗り遅れまいとして、ワッと飛びつく。そのために自分の歩調を乱す。それはミットモナイことなのだ。そんなふうにも解釈したのです。

目的地に達するための電車が来る。駆け出せば、それに乗れる。そういう事態は、その後の23年間に何度もありました。
そのたびに、私は先生の言葉を思い出しました。

私は教訓的なことを言うつもりはないのです。ナーニ、5分も待てば次の電車が来るのです。先生と私以外の乗客は、みんな、前の電車に乗ってしまいました。先生と私は次の電車に乗りました。その電車は空いていて、悠々と座ることができました。

私は、なんだかよくわかりませんが、あッそうかと思ったのです。

少年たちは、自分の未来をどのように想定しているだろうか。
あるいは、現在の世の中をどう見ているだろうか。
私には非常に興味があります。

Aという地点からBという地点に到達するには、さまざまな道があると思っていただきたい。AからBに行くために、いったんCに寄ってみることも可能なのです。あるいは電車を一台やり過ごしてもBという目的地に達することができます。

AからBに直線的に進むというのが、少年や青年の特徴であるかもしれない。

私には、実のところ、少年達が自分の未来像をどのように想定しているかということがわかりません。人によって千差万別でもあるでしょう。
しかし、私の経験からいうならば、ただひとつ、アセッテハイケナイということだけは言えると思うのです。焦る必要はない。
 
そうして私は、ストレートに社会に出てきた青年たちに、ある種の脆さを感ずるのです。脆いところの青年達は、同時に絶えず、身を立て名をあげるために焦っているように見受けられるのです、近道反応が目立つのです。

もう一度、言いましょうか。
 
人生は短い。
あっというまに過ぎてゆく。
しかし、
いま目の前にいる電車に乗らなければならないと
いうほどに短くはない。」



20歳の頃、古本屋でこの本を見つけて、僕は何回もこの部分を読み返した。でも、毎朝母親に「早く」とせかされている小学生には、まだこの言葉は教えていない。





   
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by tonjies | 2009-03-03 00:30 | 豚児1号 ケイタ
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