枕投げ
寝る前にTVゲームをする。夜のゲームの時間、ガクとケイタがケンカしていた。
ガクは自分ではゲームが出来ない。でも車のゲーム(グランツーリスモ)を見るのは好きで、「86とインプレッサやりたいのー」とよく言っている。このときもお兄ちゃんにグランツーリスモをやってもらいたかったらしいのだが、兄の方は勝手に別のゲームを始めてしまった。
喧嘩といってもガクが一方的に泣き叫んでいるだけだったけれど、強引にガクを抱き上げて隣の部屋につれていった。
「ブレンバスターー!」 と叫んでベッドの上の蒲団に放り投げると泣いてたガクが泣き止んだ。何回かふかふかの蒲団の上に背中から落ちるように放り投げているうちに、きゃきゃと喜んで笑い出した。そのまま枕投げに突入する。枕をぶつけられるたびにガクが嬉しそうな声を出した。
そうやってガクと遊んでいると、隣の部屋にいたケイタも慌ててやってきて枕投げに加わった。
TVゲームより枕投げの方がずっと面白い。
ケイタもガクぐらいの時からよく枕投げや蒲団の上でのプロレスごっこをして遊んでいるので、枕のぶつけ合いは大好きでぶつけられて喜んでいる。父親対息子2人でしばらく戦ったあと、母親にばれないように枕や蒲団を直した。
枕投げやベッドの上で飛び跳ねることは、我が家では母親から言い渡されている禁止項目の一つなのだ。でも、たまにはそれを破るのもいいと僕は思う。禁止されているからこそ楽しいこともある。もちろん、こんなことが楽しめるのは二人の子どもが小さいうちだけだろうが、TVゲームなんかよりも遥かに健全なこの遊びを子ども達に飽きられるまで続けてやろうと僕は密かに思っている。