(ケイタ)
肩もみ店
我が家では、いたずらや言う事を聞かないことの多いケイタに対して、減点制度を導入した。
特に先月までの夏休みの間中、暇をもてあましている小学生は叱られることが多かった。
そのたびに減点2、減点3と増えていき、マイナス6になると免停ならぬ算数のプリント10枚という取り決めだった。
でも実際のところ「悪戯もせずに親の言うことを何でもよく聞く」なんていう小学生は気持ち悪いだけだからこの減点制度は半分お遊びで、減点6でケイタにプリントをやらせたことはまだ一回もない。
また、減点が6以上になっても善い事をするとプラス得点が与えられることになっているので、家の手伝いや弟の面倒みると減点が減っていく。
そこでケイタが自分で母親や僕の肩をもむことを考え付いた。以前からよくケイタは肩もみをしてくれる。僕は姿勢が悪いせいか慢性の肩凝りで、いつもパンパンに張った肩はプロボクサーに殴られても笑顔で「ありがとう」と言えるぐらい硬い。小学2年生になったケイタは握力もついてきたのだろう、揉んでもらうとお世辞でなくとても気持ちがいいのだ。
でも、叱られて減点が6以上になると、すぐに「お父さん、肩もみしてあげるよー」と言うケイタは母親から、、
「肩もみすれば何でもいいってもんじゃない」とまた叱られていた。
彼が算数のプリントをさせられるのが嫌ではじめた『かたもみ店』
このイスに座ると肩を揉んでくれるらしい。だが残念なことに字を間違えている。
かたもんみ店?
店という字も少しちがう。でも、この「かたもんみ」という言葉を繰り返しつぶやいていると、不思議と肩の凝りもほぐされていくような気がするのだ。
もんみ、もんみ・・肩をもんでいる様子がよく分かる言葉だ。