(ケイタ)
トイレで… 百年、はやいぜッ
ケイタは、たいがい夕食の時に「うんちぃー」と叫んでトイレにいく。
入ったら出るのトコロテン方式ではないけれど、食事によって腸が刺激されて排便を催すようだ。
トイレに行ってからが長い。覗いてみると便座にしゃがみこんで壁に貼ってある日本地図や50音表を見ながら半分遊んでいることが多い。
「出たら、言うんだよ」
しばらくすると、トイレからケイタが大声で「出たぁー」と叫ぶ声がする。
ケイタは未だに排便の後、誰かを呼んでお尻を拭いてもらっているのだ。
たぶん幼稚園では自分でやっているのだろうけれど、家のなかでは便の様子を確認することもあってお尻を拭いてあげるのが習慣になっている。
先日、たまたま隣家のババ(祖母)にお尻を拭いてもらっていた時のことだ。
僕はいなかったので後からカミサンから聞いた話なのだけど、ウンチをした後にお尻を拭いてもらいながら、ケイタがババにこう言ったという。
「オレのケツを拭くのは、百年はやいぜッ!」
そう言われてババもビックリしてしまってどう怒っていいのか分からずに、「百年後になんかは、アタシはいないよ」と返答していた。。
お尻を拭いてもらいながら、言うセリフかぁー。
どこで「百年はやい」なんて言葉を覚えたのか母親が問い詰めると、よく見ているアニメの中のセリフだという。それにしても使う場面と使い方を間違えている。母親に叱られてケイタは祖母に謝っていた。
「ババぁー、(言葉の)使い方をまちがえて、ごめんなさーい」
しおらしくそういうケイタと「オレのケツを拭くのは、百年はやいぜッ!」というセリフのギャップが面白かった。